■木造における断熱工法 2005.06:長谷川
現在施工中のMi邸では、木造骨組の外側に断熱材(フェノールフォーム)を貼り
外装をその外側に施工しています。それ以前には充填断熱工法を用いていました。
この二つの間にはどのような相違があるのか、考えて見ましょう。
コンクリート構造においては、非常に熱容量の大きい壁体が構造体なので、外断
熱と内断熱では熱的性質が全く異なることはわかりやすいのです。
しかし木造では基本的に骨組構造なので、断熱材を骨組内部に充填しても外側に
貼っても熱的にはあまり変わらないように言われています。
一方で外張り断熱工法は骨組から外壁仕上材までの距離が45mmから50mm必要とな
るためそれを支える一般構造部分の耐用年限が短いのではないかという議論があ
ります。
現在一般的な木構造では在来工法も2×4とよばれる枠組壁工法も骨組の外部に構
造用合板を張る点では同じです。この9mmまたは12mmの合板が断熱材の外側にある
か内側にあるかが、上記二つの工法の違いとなります。合板はプラスターボード
と比べて水蒸気の透過率が小さいことともあわせて考えると、合板を断熱材の外
側に置くと合板内側での結露の可能性がかなり高くなると思われます。木造では
躯体としての壁は薄いけれどもそれが断熱材の外にあるか内にあるかはやはり決
定的に異なる条件となります。また外壁の内側、断熱材との間に通気層を15mm程
度とる必要があります。充填断熱では構造用合板の外側にとらないで断熱材と構
造用合板の間を空けて空気層として、合板を仕上材の下地とするのが一般ですが、
本来の通気層とはなりません。合板が仕上材となると躯体の半分は外部側という
ことになり結露の危険性は増すことになります。
今回は仕上材としてガルバリュウム鋼板のパネル(ウレタンフォームを芯材とし
たサンドイッチパネル)厚25mmを用いて軽量化を計りました。持出し材として45
×24を450毎に水平に取付け450ピッチで深さ15mmの欠き込みを設けて通気口とし
ています。これによって外壁仕上の耐用年数に影響があるようには思えませんし、
逆に躯体が防水層と断熱材、通気層、仕上材と何重にも保護されているので、躯
体寿命を延ばし、外壁材の取替えに対しても明快な構成になっています。
以上のように木造において外断熱を言うのはあまり意味がないのではないかとい
うのは俗説で、躯体の外側に断熱材を置く外張り断熱と呼ぶ工法の方が、従来の
充填断熱工法よりすぐれていると思います。
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